サイト主、神社に行くのが好きで、旅行に行くとよく田舎の古い小さな神社に立ち寄ってお参りします。
最近行ったところでは、静岡県東部の函南町にある火雷神社(からいじんじゃ)。
ここは昭和5年の地震で発生した断層のズレが、旧鳥居跡と石段で見てとれることで有名です。
本来の鳥居は左の方に残っていますが、断層の真上だったため左右の柱が前後左右にずれて片方の柱が倒れ、鳥居跡をみるとどのくらいのずれだったかわかります。
神社本来の造りで、後ろの方に神様がいらっしゃる神殿があります。
狛犬も古くて、味のある表情です。
タブノキやカエデの樹木に囲まれた古くて風情のある神社です。
社務所もなく誰もいない神社で、きっと近所のどなたかが時々見回って管理されているのだと思います。
こういう鄙びた山里の古い神社やお社を見ると、サイト主は「どうかここが、長く残っていますように」と祈るような気持ちになります。
それというのも、最近いろいろな場所で、今後の人口減少で起こる問題について聞いているから。
都市にいると感じないのですが、地方の田舎町では何年も前から人口が減少し、高齢化が進んでいます。
人口が減るとその町はどうなるか。
客が減り売り上げが見込めなくなると、まず民間バス会社が撤退し、次にスーパーや金融機関、ガソリンスタンドなどが引き揚げます。
自治体がコミュニティバスを走らせるとしても、バスの本数は少なく住民の移動が不便になります。
商店が減り、商品を買ったり必要なサービスを手に入れることが難しくなり、自治体が対策しようとするにも、住民が減って税収も減るため予算がとれません。
不便になった町からは住民が流出し、ますます人口が減ることになります。
将来の人口は、2010年を基準にすると、2020年には日本全体でマイナス3%、2030年にマイナス9%になると予想されています。
地方によっては、2030年に4分の3の人口になってしまう県もあります。
つまりもしかして、あなたが生まれ育ったふるさとの町に住む人が少なくなって、町そのものの維持が難しくなるかもしれないのです。
(;゚Д゚)
まだ人がたくさんいる今のうちに、自治体が、少ない人員と予算で住民が安心して暮らしていけるシステムを作り、そのためのインフラを整備しておくことが必要なのです。
田舎の市町村は、今本当に大変な時期に来ているのです。
最近いろいろな展示会でそのような地方自治体の試みを見ています。
たとえば、これ。
京都府の南山城村というところで実証実験していますが、AIが住民(特にお年寄り)とタブレット上で会話して買物とか商品の配送手配、情報収集かできる「御用聞きAI」アプリ。
アプリを使って、お年寄りがタブレットやスマホからAIと会話し、道の駅にお弁当の配達をお願いしたり、コミュニティバスが今どこを走っているか確認したり、健康相談したりします。
運営する自治体は、AIが対応してくれるので人手が不要で、発注を受けた商品を無駄なく手配するので商品ロスが少なくなり、アプリでお年寄りの安否確認もできます。
AIがお年寄りの話し相手になってくれて、使っているお年寄りにも好評なのだそうです。
南山城村では道の駅を、農産物の集荷や販売の他、
買物など住民の生活の中心の場としています。
国としても、地方自治体のAI活用を後押ししたりしていますが、問題はこのようなシステムを実際に導入するための財源をどうするか、です。
で、最近こんな記事が新聞に出ました。
「地方消費税 人口比で配分~老年・年少基準に手厚く」 (2017年10月30日産経新聞)
財務省は、「地方消費税の分配を、子どもと高齢者の比率の高い地域ほど多く配分することにした」のだそうです。
若者が減って高齢者の割合が多くなった地域に、住民サービスを省人化しつつも充実するために使われるならいいのではないかと思います。
増税も、地方の人口問題の対策に使われるなら、まぁちょっと仕方がないかなぁ、と思うサイト主です。
(どっちみち消費税10%は、既に決まっていたことですし)
自分の故郷でなくても、田舎の片隅にある神社や社を見守る人がいなくなって荒んだ状態になるのを見るのは、すごく悲しいだろうと思うのです。