色覚の違う人に、イタリア国旗はどう見えるか
2013年 06月 03日
日本では色弱者は、男性の5%、つまり男性20人に一人の割合でいるのだそうだ。
(染色体の関係で女性の色弱者はほとんどいない)
ほとんどがP型かD型のどちらか、つまり赤色と緑色が同系色に見える色覚です。
小学校の一クラスが40人として、男女共学なら一クラスに1名、男子校なら一クラスに2名、色弱のひとがいるというわけです。
サイト主の会社にも、「うちの小学生の息子、色弱なの」という同僚の女性がいます。
さて、そんな色弱の人たちの色覚をシミュレート体験できる、こんなツールをご存知でしょうか。
「色のシミュレータ 2.0」
http://asada.tukusi.ne.jp/cvsimulator/j/index.html
タブレットやスマフォを使って、誰でも色弱者の見え方を体験することができて、その状態での写真が取れます。 カメラ機能を使った、秀逸なアプリです。
試しにうちにあった野菜や果物を並べて、アプリをタブレットで起動して見てみるとこんな感じです。
まずは一般型、つまり色覚正常者がみた状態。
次に、同じものをP型の色覚の人がみた状態。
トマトの赤とキュウリの緑が、同じ系統の色に見えますね。
そういえば、先日の会合で会った色弱の人の話でこんな話がありました。
「子どもの頃クレヨンでお母さんの絵を描いて、お母さんの顔を緑色に塗ってしまい、お母さんにどうしてこんな色に塗るの、と怒られた ・゚・(つД`)・゚・」
うーん、お母さんにわかってもらえないって、子どもにとって辛いですよね。
教育現場では最近、「赤色のチョークは使わないようにしましょう」と言われているそうです。
学校の黒板は実際には深緑色。その上に赤い色のチョークをつかって書くと、強調したいことが、色弱の人には反対にぼやけた感じになってしまうのです。
また、普通のひとでも歳をとって白内障や緑内障を患うと、見えにくい色というものが出てきます。
医療や介護の現場では、薬の包装の文字が読みにくい色で、誤飲につながった実例もあるとのこと。
「色のバリアフリー」は、色弱のひとだけではなく、一般の高齢者にも大切なことなのです。
さて、赤色と緑色といって、サイト主がすぐに思い出すのはイタリアの国旗。
「赤と緑が見分けにくいなら、イタリアの国旗は色弱の人にはどういう風に見えるんだろう」
σ(^_^)?
”好奇心の赴くまま何でも試す”がモットーのサイト主、さっそく国旗の本を持ってきて、アプリを使って見てみました。
(不謹慎で、すみません m(_ _)m )
イタリア国旗のページ。となりのページはイギリスの国旗。 一般型の色覚に映る画像です。
次にP型の視覚で見た画像。イタリア国旗の赤と緑、やっぱり同じような色に見えますね。
イギリス国旗でわかるように青色系は鮮明に見えますので、同じ白色をはさんだ三色旗でも、イタリアとフランスの国旗を見間違えることはなさそうです。
興味をもって、他のいろいろな国の国旗も、このアプリで見てみました。
国旗として一番わかりにくい色を使っていると思ったのが、偶然にも見開きで隣り合ってたこの2国。 ニジェールとブルキナファソ、アフリカの国です。
赤と緑のコントラストが強くないので、ブルキナファソなど色弱の人には星の背景が一色に見えてしまいそうです。 (アフリカには色弱の人は少ないのかしらん)
もしサッカーの試合なんかで、赤いウェアと緑色のウェアのチームが戦ったら、色弱の人たちには、だれがどちらのチームか、わかりにくくなってしまうのかも。
リーグ戦でアウェイのチームが白のウェアを着るきまりは、だから納得です。
もし自分が何かチラシや案内とか注意書きを作るときは、色には気をつけないと、と思いました。
ささやかな配慮で、見づらいという人が減らせることができるのですから。
「色のシミュレータ」アプリ、いつでも使えるようにスマフォにも入れました。
子供がまだ色弱だと親も判らないときには理不尽に叱られて、性格が歪んだりしないといいのですが。
ワンちゃんの見る色もこんな風ではないでしょうか?
色弱の人、靴を脱がないとならない居酒屋さんが苦手だと言ってました。 「履いてきた靴下の色、左右違うかも」と不安だからって。 私たちは靴下に穴があるかもと不安になるけど、そういう心配もあるんだ、って思いました。